ホーム > 特集コラム > 海外オーガニック情報 > 展示会 > 培養肉の前哨戦?プラントベースの肉代替品が、よりリアルに進化している

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉代替品が、よりリアルに進化している

2019 / 03 / 23特集コラム


近年、世界各地で多くのスタートアップ企業が次々と誕生し、商業化の実現に向けて研究開発に取り組んでいるという「培養肉」。CLEAN MEAT(クリーンミート)とも呼ばれるこの培養肉は、飼育された家畜、つまり命ある動物を絞めて肉として販売するものではなく、植物由来の原料を肉に似せて作るものでもなく、動物の実際の細胞組織を培養することで作られる人工肉のことだ。2013年、培養肉で作られたハンバーガーの試食会がロンドンで開かれた時には、バーガー1個当たり3000万円以上となる試算だったが、あれから5年以上がたち、私たちの食卓に培養された人工肉がのる日も、そう遠くないレベルまできているという。

そんな「培養肉」時代の前哨戦とばかりに、今回の「Natural Products Expo West 2019」では、「PLANT-BASED(プラントベース)」、つまり植物由来の肉代替品を試食できるブースが大盛況だった。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している

一番の行列が見られたのは、BEYOND MEAT(ビヨンドミート)のブースだ。既に一部のスーパーで肉売場に並んでいるという、あのビヨンドバーガー(THE BEYOND BURGER)を生み出したメーカーだ。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している

従来の肉代替品といえば、大豆や小麦たんぱくを使ったものが主流だった。植物が原料である肉は、すでに多くの人に親しまれている。日本で販売されている多くは、水で戻して使う乾物タイプか、缶詰になっているものだが、これからのトレンドは、グルテンフリー(GLUTEN FREE)、ソイフリー(大豆不使用)で、冷蔵タイプの肉代替品。大豆以外の豆によるピープロテイン(えんどう豆やムング豆)、そして玄米由来のプロテインに植物油、ビーツなどの野菜が原料で、見た目も質感も、味も含めて本物の肉により近いものが商品化されている。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している
ひき肉タイプは、バーガーだけでなく、ミートボールにしたり餃子にしたりと様々な料理にアレンジできる。水で戻すなどの手間もなく、本物のひき肉同様に使うことができる。味も、食感も肉汁の感じも、言われなければ本物と間違ってしまいそうなクオリティーだった。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している
1979年からテンペをはじめ、多くの大豆たんぱくを使ったベジタリアン食品を手がけてきた、LIGHT LIFEからもまた、グルテンフリー、大豆不使用、PLANT-BASED(プラントベース)のバーガーとソーセージ、ひき肉が新登場。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している
とにかく、リアル!

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している
言われなければ、味は普通のバーガーとほとんど変わらない。チーズやソースなどをプラスしたら余計にリアルだ。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している
アメリカを代表するストリートフード、ハンバーガーショップもホットドッグスタンドでも、プラントベースを当たり前に提供する時代も、そう遠くないのかもしれない。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している
他にも、VEGANフードを提供するNATURLIも、プラントベース(大豆由来)のバーガーパティ、ミンチ、ソーセージを展開。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している

CHICK FREE、えんどう豆由来の鶏肉代替品も。

培養肉の前哨戦?プラントベースの肉が、よりリアルに進化している

ベジタリアンやヴィーガンにとってリアルな味、リアルな質感などは、本物の肉を想像させむしろ嫌悪感を持たれそうにも思うのだが、何故ここまでリアルに近づけるのだろう?

マーケティング戦略的には、フレキシタリアン(Flexitarian)と言われる層がターゲット。フレキシタリアンとは、Flexible(フレキシブル)×Vegetarian(ベジタリアン)、つまり、柔軟なベジタリアンで、時には肉や魚も食べる人のことだ。

ストイックな制限をせず、無理なく柔軟に対応するフレキシタリアンには、ダイエットや生活習慣病のリスクを減少させる目的だけでなく、アニマルウェルフェアや地球環境に貢献したいと考える人も多い。でも、肉を食べたいという欲求は捨てられない、健康になるために我慢したくない・・・。美味しいものを食べれば食べる程、知れば知る程、ますますホンモノの味を求めてしまう。そんな消費者の望みをかなえるべく、肉代替品は、よりリアルさを追求し進化し続けていた。

***************************************************

佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

https://www.organic-press.com/about/