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国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ

2017 / 10 / 7特集コラム


2017年10月1日、ドイツの国内バイヤー向けのオーガニック見本市「BioSüd (ビオズュード)」が、アウグスブルグにて開催された。この展示会は、ドイツ国内、東西南北の4カ所に分かれて展開する「Bio Messen」の1つ。東の「BioOst」(開催地:ベルリン)、西の「BioWest」(開催地:デュッセルドルフ)、南の「BioSüd」(開催地:アウグスブルク)、北の「BioNord」(開催地:ハノーヴァー)の各地で開催※されている。BIO(オーガニック)に特化した企業が多数参加。地元バイヤーや流通関係者たちが一堂に集い、商談をすることはもちろん、新製品や最新のトレンドなど情報を収集したり、継続的にメーカーや生産者とコミュニケーションを取るための大切な場でもある。専門性や展示会としての質も高いと、現地出展者、業界関係者の間でも大変評価の高い見本市だ。

※「BioNord」は2週間後の10月15日、「BioOst」「BioWest」は4月開催
国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ

今年の出展者はおよそ500社。毎年2月にニュルンベルグで開催される国際見本市、BioFach(ビオファ)のおよそ1/4~1/5ほどの出展規模だ。とはいえ、日本のオーガニック専門展示会の倍以上。今年の来場者数は4,671名と、出店者、来場者ともに昨年を上回った。

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ

なお、同見本市は平日ではなく日曜日1日だけの開催となっている。ドイツでは、日曜日になるとスーパーマーケットなどほとんどの小売店が休業する。日曜開催なら小売店のバイヤー、店舗経営者などが通常の営業を休んだりなど影響を与えることなく来場できる。また、出展企業にとっても休日返上ということにはなるかもしれないが、平日のビジネスデーに、設営準備も含め人や時間を大きく割かれてしまうよりは、負担も少なくて済むのかもしれない。

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ

「BioSüd」は2ホールで展開されており、1日あれば商談時間もとりながら全ブースをまわってみることのできる、程よい規模感だった。

ホール内のゾーンの分け方は、DEMETER、BIOLAND、NATURLAND、BIOKREIS、といった認定機関ごとと、大手自然食卸、ディストリビューター、オーガニックコスメ、レホルム製品など。それぞれ出店者が属する団体の近くにまとまっている。入り口に設けられたホールの案内、会場マップと、ホール内通路でエリアが表示され、該当ゾーンはカーペットも色分けされている。

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ

企画展示としては新製品コーナーはあったが、マーケティング視点でのゾーニングがされておらず、ヴィーガン、スーパーフード、グルテンフリーのような注目カテゴリーエリアは設けられていなかった。

ドイツ在住の神木さんコラム「キーワードは「手軽さ」と「機能性」 BIOFACH 2017から見る今年の食品トレンド」でも述べられているように、今回の見本市も、これといって目立ったブームや素材は見当たらなかった。傾向として見えてくるのは「オーガニック食品のインスタント化」そして「オーガニックレトルト食品の増加」。あるメーカーでは「Quick & Easy 」というタイトルを掲げ、簡単にすぐできる、オーガニックのインスタント食品を中心にブース展開していた。

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ
お湯や水を注いで数分経てば出来上がる手軽なスープや、ライスやクスクスなどのミール系をはじめ、混ぜて1分レンジで加熱すれば出来上がるカップケーキミックス、混ぜるだけのチアシードプリンなどもある。

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ
会場全体を通してみても、実際にお店に行ってみても、手軽に食べられるインスタント、レトルトなど便利な食品が増えているのはあきらか。オーガニック認証マーク付きであるということは大前提だ。VEGANのもの、GLUTEN FREEのものなど選択肢も増え、さらに、エスニックやアジア、地中海風など、以前より味のバリエーションもかなり豊富になっている。パッケージの材質や形状などもどんどん改良され、欧米の有機業界の商品開発は常に進化。日本の有機加工食品は大きく遅れをとっている。

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ

次に目に入ったのが、会場で試食に人だかりができるほど人気だった「ビオアイス」。なかでもVEGAN(ヴィーガン)で、乳製品は使わないラクトースフリー、ソイフリー(大豆不使用)、グルテンフリー、シュガーフリー(精製糖不使用)のものは大人気。砂糖の代わりに有機のデーツを使用。フルーツベースだけでなく、ミルクの代わりに有機カシュークリームを使ったクリーミーなヴィーガンアイスも!添加物は一切使用していないオーガニックのアイス。この原料なら日本でも実現可能かも?

国内のバイヤーを対象とするオーガニック見本市 「BioSüd 2017」ドイツ・アウグスブルグ
インスタジェニックなディスプレイで目を引いた、BIOの菓子メーカーのブース。この可愛い芋虫(?)は、同社のビスケットやお菓子を使ってつくられたもの。お子様も喜ぶアレンジで、シンプルになりがちなオーガニック食品でもできる、楽しいアイディアレシピを提供。

「ギルトフリー」のおやつと「インスタ映え」は今や万国共通のようだ。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/