オーガニック=有機のオーガニックが微妙にズレ成長しはじめた !?

普段の会話で有機野菜はオーガニック野菜、有機農法はオーガニック農法とも云い、チラシやPOP、記事原稿などではどちらでも表記している。辞書的解釈ではオーガニック=有機だから間違いない。しかし、オーガニックコスメを有機コスメ、オーガニックコットンを有機コットンとは表現しない。逆に有機JAS法とはいうがオーガニックJAS法とは云わない。有機コスメ、有機コットン、オーガニックJAS法と云っても間違いではない。でもシックリこない。なんかちがう。だれかが意図的に使い分けようといったわけでもないのに。ただ有機は食べものの世界に焦点を当て、オーガニックを有機と訳して成長してきた経緯がある。

数年前からオーガニックコットンもコスメもしっかり女性の気持ちを掴み、成長いちじるしいジャンルとして注目されている。さらに住まいの世界でも建材や塗料に化学物質過敏症やシックハウス症状の人が反応する化学合成物質を使わない声が大きくなっている。健康志向、ナチュラル(自然派)志向、エコ意識がさらに強くなり、衣食住にわたってオーガニック、あるいはオーガニック的なものが意識され始めている。オーガニックは新しいライフスタイルの価値観、美意識を表現する“ことば”としてパワーアップしている。

そして有機はオーガニックではあるが、法律用語、農業用語、食の用語としての使い方にある程度限定、専門化される傾向にあるようだ。オーガニックということばの意味、意義、定義、そして使い方を少し見直す時期にきているのかもしれない。

追記

ちなみに有機農法、有機野菜、有機JAS法は農産物、食べもの関係なので農水省管轄である。コスメは厚生労働省だから、有機JAS法のおよぶ範疇にはない。コットン(綿あるいは綿花)は農産物で農水省管轄ではあるが、コットン製品になるとどうなるのか? 現在、日本ではコスメもコットン製品にも有機JASのような有機認証はない。

そんな動きもあるような、ないような?

この記事を書いた人

山口タカ
大分県佐伯市出身 や組代表 クリエイティブディレクター(編集制作/マッチングコンサル) オーガニック、アウトドア、食育をテーマに活動。1997年に日本初の一般消費者向けのオーガニック専門誌「ORgA(オーガ)」創刊。 2001年に「オーガニック電話帳」を自費出版。以来、”ひとり出版社”と称してオーガニックの普及をライフワークとし、全国の篤農家や食品メーカー、レストランなどを取材している。漫画「美味しんぼ」第101巻“食の安全”をコーディネートし、作中に“有機の水先案内人”として登場。2020年4月、「東京オーガニックレストラン手帖」を辰巳出版より刊行。

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