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葛100%「本葛」と澱粉入りの葛粉

2016 / 11 / 1特集コラム


葛湯、葛餅、葛切り、、、と、古くから日本人に馴染み深い食材、葛(くず)。この葛というのは、山野に生育しているマメ科のつる性植物で、紅紫色の花を咲かす。漢方薬でおなじみの葛根湯(かっこんとう)も、この葛の根っこが主原料となっていて、最近では葛の花も健康食品などで注目されている素材のひとつだ。

「葛粉」は、葛の根の中に含まれている澱粉を精製して粉状にしたもの。この葛の根っこの部分を掘り起こし、粉砕して水の中でもみだすと、根の中に含まれている澱粉が出て沈殿する。この水で晒してアク抜きし沈殿させる工程を何度も繰り返し、最終的に不純物を取り除き、乾燥して製品化される。

葛100%「本葛」と澱粉入りの葛粉

ところが一般的に「葛粉」として販売されているものの多くは、葛粉だけではなく甘藷などの澱粉を加えたものだ。「本葛」という文字があったとしても「本葛を使用している」つまり、「葛100%の葛粉も配合している」ということであって、100%葛からできているとは限らない。本物の葛粉を見分けるにはまずは「本葛」という文字をチェック。そして、原材料表示を見て「葛」のみを使用しているものを選ぶようにしよう。

葛粉が100%葛であるとは限らない、という話は「葛切り」に関しても同じこと。一般に販売されている乾物の葛切りは、たいていは他の澱粉が加えられている。多くの人たちが鍋の時期に「葛切り」と思って購入しているであろう、有名な某製品などは、ジャガイモ澱粉やコーンスターチからできていて、葛は一切入っていない。

葛100%「本葛」と澱粉入りの葛粉
「本葛入り葛切り」と「本葛100%葛切り」、比べてみると一目瞭然!

「本葛入り」とパッケージに書かれている葛切りも、葛を使用している、つまり「入っている」ということであって、その割合までは定かではないのだ。葛100%の葛切は透明感のある中に、淡くやや飴色がかった色をしているのだが、葛以外の澱粉の割合が多いものは白さが際立っている。

葛100%「本葛」と澱粉入りの葛粉
加熱しても同じで、やはり、葛以外の澱粉が多いものはクリアな透明色となる。

葛100%「本葛」と澱粉入りの葛粉
国産本葛を100%使用した「葛切り」は、オーガニック専門店や自然食品店などでは取り扱っているところが多い。希少である上にやはりお値段も高めだが「ホンモノの葛切り」を味わってみたい方は、是非探してみてほしい。また、一般のスーパーで販売されている葛切りを選ぶときは、葛粉と同じく「本葛」の文字があるかどうかをチェック。原材料表示は重量の多い順に記載されるルールがあるため、一番先に「葛」の文字があるものを選ぶとよい。良心的な製品は本葛の配合割合を書いてあるものもあるので、パッケージデザインや価格だけを見て選ぶのではなく、原材料表示や説明表示をしっかり読んで選ぶようにしよう。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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