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何故、調味された梅干し「調味梅干」は増えたの?

2013 / 07 / 1特集コラム


本来梅干しというものは、「梅」「塩」「しそ」のみでできるもの。しかしながら、スーパーやコンビニの棚に並ぶ「梅干し」の原材料表示を見ると、その多くには梅、塩、しそ以外のものがたくさん記載されている。酸っぱくてしょっぱいはずの梅干に、甘味料(還元水飴、蜂蜜、砂糖、ステビアなど)を使用しているものが多いことに驚く。アミノ酸等の化学調味料で味付けされていたり、合成着色料(黄4号、黄5号、赤102号、赤106号など)、天然由来であっても紫蘇以外のもので着色されているものもある。最近では昔ながらの無添加梅干の方がむしろ珍しいのかもしれない。

調味された梅干し

カリカリ食感の梅漬け「調味梅漬」の表示例

原材料表示の「名称」の欄をよく見てみよう。これらのほとんどは「梅干」ではなく、多くの添加物とともに、「調味梅干」「調味梅漬」と記されていることに気づくはず。

「農産物漬物の日本農林規格」では、「梅干し」は「梅漬けを干したもの」であり、「梅漬け」とは、「農産物塩漬け類のうち、梅の果実を漬けたもの又はこれを梅酢若しくは梅酢に塩水を加えたものに漬けたもの(しその葉で巻いたものを含む。)をいう。」と定義されている。わかりやすく言うと、主原料に「梅」「塩」「しそ」以外のものを使用しているもの、干す工程のないものは「梅干し」ではない、ということだ。マイルド系の梅干は、たいてい「調味梅干」であり、あのカリカリとした食感の梅は「調味梅漬」。本当の梅干しではないのだ。

何故「調味梅干」が増えたのか?その理由の1つには消費者の低塩、減塩志向にあるという。「塩分のとりすぎは健康に良くない」ということで、昔ながらの酸っぱい、しょっぱい梅干が敬遠されてしまうようになった。本来は保存食であるはずの梅干しだが、塩分を低くすれば当然長期保存ができなくなる。調味梅干の多くは、塩漬けした白干の梅を水にさらすなどして脱塩し、添加物たっぷりの調味液に漬け込んで作られる。保存性を高めるために添加物が使用し、味をマイルドにするために様々な化学調味料を使っているのだ。

昔は、毎年梅の季節になると各家庭で梅干しづくりをするのが当たり前だったわけだが、最近では梅干しは漬けるものではなく買うもの、という方が多い。選ぶときに、塩分の%を気にされる方は多いと思うが、塩分だけで判断しないようにしよう。また、「国産」の文字や有名産地、梅の品種、合成着色料不使用の文字だけで、勘違いしないように注意したい。

選ぶポイントは、「調味」された梅干しではないもの。あえて減塩のマイルドなものを選びたいときも、原材料をよく見て化学調味料や添加物など、余計なものは入っていないものであることを確認しよう。塩はできれば自然塩にこだわっていることが明記されているものを。梅は国産で、できれば農薬不使用のものを選びたい。昔ながらの伝統製法で作られた、本物の梅干しをぜひ選ぶようにして欲しい。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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