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日本の知恵が生きる伝統調味料「梅酢」

2013 / 06 / 5特集コラム


「梅酢」ってどんなものなのか?何に使うものなのかをご存知だろうか?「酢」の文字がつくことから、「梅からできるお酢」「お酢に梅を漬けたもの」などを想像する方が多いだろう。でも、実は「梅酢」はいわゆる醸造酢の類ではなく、梅干しを作る過程でできる、いわゆる副産物なのだ。自家製の梅干しを作る過程で知リ得る「梅酢」の存在。最近は梅干しを漬ける家庭も減って、スーパーやコンビニで梅干しを買う方が多くなったため、梅酢が何か?を知らない人のほうが多いかもしれない。

梅干しを作るとき、まずはじめに実に塩をまぶして塩漬けにする工程がある。重石をして置いて数日すると、透明な液があがってくるのだが、この梅に含まれるクエン酸たっぷりの液体が梅酢であり、「白梅酢」と言われるものだ。

▽梅仕事・梅干しの作り方 / 下準備~梅の塩漬け~梅酢
http://www.organic-press.com/feature/feature_recipe_98/

梅仕事・梅干しの作り方 / 下準備~梅の塩漬け~梅酢
そして、赤紫蘇を加え紅色となった梅酢は「赤梅酢」と呼ばれる。紫蘇漬けの梅干しを漬ける際、下準備において赤紫蘇を塩もみしてアク抜きをする。そしてその後に白梅酢を加えるという工程がある。アク抜きの際に出る灰汁は、黒っぽい紫色なのだが、白梅酢を加えることでこの黒っぽい紫蘇の汁がぱっと鮮やかな紅色に変化する。これは赤紫蘇に含まれるポリフェノールの一種であるアントシアニン系色素のシソニンが、白梅酢に含まれるクエン酸と化学反応して起こる現象だ。この赤く染まった液体が、「赤梅酢」というわけだ。

▽梅仕事・梅干しの作り方 / もみ紫蘇の作り方~赤しそ梅干し
http://www.organic-press.com/feature/feature_recipe_99/

梅仕事・梅干しの作り方 / もみ紫蘇の作り方~赤しそ梅干し

紫蘇の葉を塩もみして灰汁を出した後、白梅酢を入れるときれいな赤紫色に変化する。

梅干しを作る過程でできる梅酢だが、調味料としてお店で購入することも可能だ。オーガニックスーパーやマクロビオティックの食材を扱うお店などでは、たいてい扱っている。白梅酢は、色をつけないので、梅の風味や塩分を使いたい料理におすすめだ。酢飯に使ったり、焼き魚などにかけていただいたり、酢の物やあえものなどにも使える。赤梅酢は新生姜やミョウガ、カブなどを漬けるときに使うと、色鮮やかになる。赤い色と紫蘇の風味を生かして、野菜のピクルスや、オイルと合わせてドレッシングなどに使用するのも良い。梅酢はお酢と同じようにお料理に使うことも可能だが、塩分も多く含まれているので注意しよう。特に、自家製の梅酢はそのご家庭によって塩分が異なるので、分量や味の調整は必要だ。

天然の梅エキスがたっぷりと含まれる梅酢には、疲労回復にも効果的と言われるクエン酸など、梅の栄養素がそのまま詰まっている。昔から、お米を炊く際に加えたり、万能調味料として料理の風味付けや様々な料理に幅広く使われてきたほか、殺菌力があることから、お腹の調子の悪い時や、うがいに利用されることもあるそうだ。食中毒が増える夏場にかけて、特にお料理に活用すると便利だ。クエン酸が豊富なので、スポーツをされている方や疲れやすい方など、薄めてドリンクとしていただくのも良い。夏バテ予防にもおすすめだ。

▽梅仕事・副産物 / 新生姜の梅酢漬け。紅生姜の作り方
http://www.organic-press.com/feature/feature_recipe_102/

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/