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何が違う?新じゃがと完熟じゃがいも

2013 / 05 / 20特集コラム


新じゃが前線とじゃがいもの旬

1年中食べられるじゃがいも。南は九州地方から北は北海道まで日本各地、年中どこかで栽培され収穫時期も異なる。保存もきくので旬の時期がわかりにくいが、毎年秋作、冬作栽培されたじゃがいもが収穫される時期、3月~6月頃にかけてと、春作栽培のじゃがいもが収穫される秋から冬、9月~12月頃の2回が、日本のじゃがいもの旬と言える。

南北に長い日本列島では、早い時期で2月頃から収穫が始まる九州に始まり、東海、関東、・・・そして7月頃には北海道へと、収穫時期を示すラインがまるで桜前線のように北上していく様子を「新じゃが前線」などと表現するのは、縦に長い地形と、それにより同じ時期でも地域によって気候風土が異なる、日本ならではのことかもしれない。

じゃがいもを購入するときには、値段や品種だけでなく産地もチェックしてみるといい。「新じゃが前線」から見て、その時が旬の「産地」のものを選んだり、作りたいお料理に合った収穫時期のもので選ぶなど、いつもと違った角度から選ぶことで、毎日のお買い物やお料理がちょっぴり楽しくなるかもしれない。

何が違う?新じゃがと完熟じゃがいも

新じゃがと完熟じゃがいも

「新じゃが」とは、春に収穫されるたじゃがいも、収穫し初めのじゃがいも、収穫後貯蔵せずに市場に出たじゃがいも、完熟前に収穫したじゃがいも・・・などと言われており、定義はあいまいで諸説あるようだ。

茎や葉がまだ青いうちに収穫した完熟前の「未熟」なじゃがいも、新じゃがは、皮がとても薄く水分を多く含んでいる。掘りたての新鮮な「新じゃが」は、手でこすれば向けてしまうほど薄い皮と、水分が多くてみずみずしい味わいが特徴。ビタミンCも豊富だ。収穫直後の新じゃがには、特に皮のあたりにビタミンCがたっぷり含まれている。皮つきのまま食べれてしまう新じゃがだからこそ、農薬を使用せずに育てたものを選びたい。

一方の「完熟じゃがいも」は、地上部が自然に枯れた状態になって、地下のいもの栄養分が蓄積され、皮も厚くなった状態で収穫したものを言う。保存に向かない新じゃがに対し、完熟じゃがいもは貯蔵に適している。

ちなみに、効率重視の大規模な慣行栽培では、じゃがいもの葉や茎が自然に枯れる完熟の状態まで待たず、まだ葉や茎が青いうちに除草剤を撒いて地上部を枯らして収穫することがあるそうだ。この除草剤によって収穫までの時間も短縮され、機械の効率を上げるとともに、発芽もしにくく傷みにくくなる効果もあるとか?海外では収穫した後のじゃがいもに薬剤を撒き、発芽を止めるなども行われていると聞く。生のじゃがいもは今のところ国産のみの流通となっているが、海外産慣行栽培じゃがいもを使った加工品などは、除草剤の成分などが残留している心配も否定できない。また、慣行栽培のじゃがいもは、芽止めのために放射線照射しているものもあるそうだ。段ポールに記載されていても販売用の袋には記載されておらず一般の消費者には確認できないことがほとんどなことは、あまり知られていない。

やはり、有機栽培、自然栽培などの方法で育てられたじゃがいもが安心できる。さらに、生産者の方が「完熟」の収穫にこだわるじゃがいもは、きっと美味しいに違いない!

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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