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採卵鶏の健康と快適性を重視するオーガニック卵

2013 / 02 / 10特集コラム


日本の有機畜産物

「オーガニック」「有機」というと野菜や果物、または農産物の加工品などがまず先にイメージされる思うが、実は、オーガニックの「畜産物」も流通している。

2005(平成17)年11月26日に有機畜産物の日本農林規格(JAS規格)が施行されたことで、お肉や卵なども、認証機関で厳しい審査 を受け生産基準をクリアした物に関して、有機JASマークをつけて販売することが可能になった。(畜産物、畜産物加工食品、農畜産物加工食品については、海外のもので有機の根拠があれば「有機」や「オーガニック」と表示することは現在可能だが、「有機JAS」としての販売は認証がなければできない。)日本の国内産オーガニックとしては、2006年にはオーガニック牛乳、2008年に有機卵、2009年に有機鶏肉、有機牛肉が、初めて誕生した。

家畜に与える有機飼料や飼育場などの規制が高いハードルとなり、日本での有機畜産物はまだまだごく一部の製造業者に限られているが、ハムやソーセージ、バターやチーズなどの有機畜産物加工食品、バターやミルククリームなどの乳製品、卵を使用して作るパン類などの有機農畜産物加工食品など、今後、様々な国産のオーガニック食品の展開が期待されている。

採卵鶏の健康と快適性を重視するオーガニック卵

有機JAS認証の有機卵

ストレスフリーの採卵鶏

一般に大量生産される卵は、ウインドウレス(窓がない)鶏舎で、温度や光の管理、エサや水などをコンピュータにより管理された中で生産されることがほとんど。一生太陽の光を浴びることなく、電球の光だけで、ケージに囲まれた狭いスペースの中で自由に動き回ることもできずに育てられた鶏が産む卵、ということだ。このような環境では、鶏は病気になりやすく、予防や治療に、抗生物質など多くの薬剤が使われることになる。

有機畜産物生産のおもなポイントは、「飼料は主に有機農産物を与える」「野外への放牧などストレスを与えずに飼育する」「抗生物質等を病気の予防目的で使用しない」「遺伝子組換え技術を使用しない」ということ。

オーガニック卵を生産するには、まずは採卵鶏の飼育過程において、鶏たちが健康的な生活ができる状態であることが必要だ。

有機飼料を与え、新鮮な水の自由な摂取ができるようにするなど、飼料についての原則が設けられている他、採卵鶏を野外の飼育場に自由に出入りさせることが決められている。また、1羽あたりの家きん舎の広さ、野外の飼育場の広さ、人工照明に関しても日長を延長する場合の1日当たりの限度など、その飼養環境についても細かく基準が設けられている。

アニマルウェルフェア(Animal welfare)、動物福祉の考え方が、ここに反映されている。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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