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消費者はどこを見ている?有機表示の実態とこれから「オーガニックマーケティング協議会 第2回定例会」

2015 / 09 / 10特集コラム


一般社団法人フードトラストプロジェクト主催による、オーガニックマーケティング協議会 第2回定例会が2015年8月28日(金)に開催された。議題のメインは「有機表示の実態とオーガニックアンケートに関する検討」。法政大学経営大学院 小川研究室アシスタントの青木恭子氏による「現状のマーケットでのオーガニック表示の現実に関するレポート」(解説:法政大学経営大学院教授 小川孔輔氏)に続き、徳江倫明氏より「有機JAS認証と世界に広がるオルタナティブ認証の現状と可能性」「一般消費者に対するアンケート調査の企画」および、トライアルアンケート*の結果報告が紹介された。

消費者はどこを見ている?有機表示の実態とこれから「オーガニックマーケティング協議会 第2回定例会」

アンケート結果によると、およそ7割の消費者が、有機JASマークの有無より、パッケージに書かれた商品名やキャッチコピーなどに書かれた「有機」「オーガニック」の文字を見て判断しているという。

1999年のJAS法改正より、有機JAS認定を受けた有機農産物や有機農産物を原料とする加工品で、有機JASマークを付けたせもの以外は、容器や包装などに「有機」や「オーガニック」といった表示はできないのは周知のとおり。一方で、有機JAS認証マークが無い場合でも「有機原料使用」の表示は「品質表示基準」の強調表示が認められているが、当然、その対象となる原料は有機JASマーク付きの原料である必要があるとともに、その使用割合を%で記載する必要がある。これらを違反した場合、消費者庁所轄による「景品表示法」で、虚偽や誇大、優良誤認といった「不当表示」にあたる場合があるので注意したい。

法政大学経営大学院 小川研究室アシスタントの青木恭子氏による「現状のマーケットでのオーガニック表示の現実に関するレポート」実態調査によると、有機JASマークのない製品に、使用割合が明確でないものや、パッケージに紛らわしい表現、表記があるものは多く、違反と思われる製品も存在している。今まで積み上げてきた、オーガニックについての信頼が揺らぎかねないような状況が起こっている。売り手側の解釈や認識の違いなども多く、まぎらわしい「オーガニックもどき?」が売り場に氾濫している。

こういった現状に、厳しく取締りを!規制の強化を!という声が上がってもおかしくないが、業界関係者からは意外にも冷静な反応が。

有機農産物を原料とする加工食品の中には、その原材料や配合などの制約により実質有機JAS認証の取得が難しいものもある。また、取得にかかるコストや設備等の問題で、今ある制度の中で、一生懸命やれることをやっている良心的な製造メーカーもたくさんある。有機JASマークが無くても、有機農産物を積極的に使用することで、有機農業の推進を後押ししていることも事実。有機認証の無い製品に対しての表現について、違反は論外だが、全て紛らわしいからNGと一概には言えないだろう・・・と。

問題は、消費者にとってわかりやすいかどうか?だ。

オーガニックマーケットを広げていくためにふさわしい認証制度として、アメリカのUSDAの表示基準のように、何%オーガニックが入っているか?「made with organic」といった表示を義務付けるとか、二者認証、参加型認証などの仕組みを取り入れるといった声もあがった。とはいえ、法律を変えたり仕組みを構築するには、時間もかかるうえ大きな壁も。

実際の店舗などでも、できることはまだたくさんある。製品のプライスカードに「オーガニック」「有機JAS認証」「有機原料〇%使用」「〇〇不使用」・・・など、消費者へ伝えたいことが一目でわかりやすい表示を工夫するなど、まずは商流の現場でできるところから。実際に店舗に足を運ぶと、有機JAS法に違反している?と思われる製品表示、そもそも効果効能を謳っては薬事法に抵触するのでは?と思われる表現も、たくさん見られたりする。

まずはオーガニック業界自らが模範となり、関連する法律やルールの正しい認識をもち、法律法規に則った事実に基づく情報を提供するところからはじめよう。

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*一般社団法人フードトラストプロジェクト「オーガニックマーケティングリサーチプロジェクト」オーガニックに関する消費者意識(有機JAS表示について) より一部抜粋

調査方法:WEB調査/アンケート対象:一般消費者無作為100件/実施日:2015年4月20日


問3:オーガニック(有機)ジュースを購入される時に、皆さんはパッケージの中で何を見てオーガニックだと判断しますか?

●商品名に「オーガニック」もしくは「有機」という文字が書かれている・・・69%

●有機JASマークが書かれている・・・31%

問4:Aは有機JAS認定を受けたオーガニック(有機)ジュースです。Aには有機JASマークがついており、Bは有機野菜・果実を原料として使ったジュースですが、有機JAS認定は受けていないものです。どちらを選びますか?

●AとBの違いを意識しない・・・34%
●Aを選ぶ・・・66%

問6:「AとBの違いを意識しない」と回答した理由
●特に気にしてみたことがなかったので
●今まで知らなかったので
●トクホもそうだけれど、実際のところどれだけ信頼していいのかわからないので、お金を出してもらったマークよりどんな産地の野菜や果物をどれだけ使っているかの方が重要だと思う
●有機JASマークとマーク無しの製品の違いがわからないから
●マーク云々より、実際使われている原材料の方が重要なので、二つの原材料や使われており野菜・果物の分量を確認して選ぶ
●有機野菜・果実を原料として使っているのなら大体同じだと思う。
●有機野菜というものを特別意識していない。単なる野菜ジュースとしか見ていないから。
●どちらにも有機野菜使用と書いてあるので
●どっちも有機野菜って言葉があるので似たようなもんだろうと思うから

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/