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大石リカ・デリシャス氏IFOAM ORGANICS ASIA総会参加報告。日本の活動のこれからを考える

2015 / 07 / 15特集コラム


世界有機農業アジア連盟理事(IFOAM ASIAの理事選)に立候補し就任。日本から初めて、アジアでも初めての女性理事誕生となった、大石リカ・デリシャス氏が、6月30日(火)「オーガニックマーケティング協議会 第1回定例会」にて、IFOAMアジア総会の報告、およびアジアでのオーガニックの取り組みについて講演した。

大石リカ・デリシャス氏IFOAM ORGANICS ASIA総会参加報告。日本の活動のこれからを考える

以下、大石リカ・デリシャス氏の報告よりまとめ

IFOAM ORGANICS ASIA 総会

IFOAM ORGANICS ASIA(世界有機農業運動アジア連盟)は、2013年に設立。発足から2年で、アジア17ヵ国から100の企業や団体が参加。参加国は、韓国、中国、インド、ブータン、バングラディッシュ、インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、キルギスタン、フィリピン、日本、、、などだ。(日本からはIFOAM JAPANとAFASが参加)現在アジア連盟の本部は韓国にあり、オーガニック市場が急成長している韓国や中国、インドの3カ国が、このアジア連盟をリードしていると感じたという。

また、日本以外の各国の連盟は、行政の担当者も総会に参加しており、行政と密接に連携しながら有機農業の推進が行われている印象がある。特に韓国、中国、インドは、政府からの力強い支援があり、3か国の国内連盟の運営と会議の実施には予算がつけられている。また、オーガニック情報の英語配信も公費にて行われている。

一方の日本では、アジア連盟が設立された当時に理事候補を出さなかったこともあり、アジアにおける連携から取り残されているといった印象。日本の現状が英語で発信された実績もあまりなく、日本におけるオーガニック運動や有機野菜の優位性についての研究成果が、国外には知られていないのが現状だ。

アジア連盟の活動に参加するには、まずアジア連盟日本支部の設置が必要だと考える。同時に外交政策については、国内の主要なオーガニック団体と日本政府との二人三脚が必要。そして日本のオーガニック最新情報を、日本支部からアジアと世界へと配信していくことが急務である。また、日本国内で開催される国際会議やフォーラムにアジア連盟を招待する体制を、この1~2年以内に構築する必要だ。そして、なによりも日本政府からの支援と運営における公費の提供は不可欠である。

大石リカ・デリシャス氏IFOAM ORGANICS ASIA総会参加報告。日本の活動のこれからを考える

日本代表理事の目標

日本は有機農業運動の歴史が長く、アジアの他の国に比べると生活水準も高く裕福な国。環境や農業だけではなく、近代農業制度の背景にある不必要な児童労働、貧困や飢餓の課題も含めた幅広いトピックを共有し、必要な提案ができる器もある。また、これらの活動が「持続可能な日本」を見出す最短の近道となるだろう。

今後の目標としては、「金融政策」「国際政治」「人材開発」「科学研究」「社会生活」の5つの柱*をベースとしたチームを2015年中に結成し、国家レベルのプロジェクトへと推し進めたい。

*チーム結成2015年
1.国際政治チーム
内閣府内にビオ・オーガニック推進室設置をするための政策提言チームの結成

2.人材開発チーム
Japanese Young Organic Leaders向けトレーニングプログラムの提供

3.金融政策チーム
アジアンユーロなる通貨システムの提案=南から南の基準レート

4.科学研究チーム
科学的根拠のある研究をオーガニックの優位性として発表

5.社会生活チーム
オーガニック農業、食品と生活のバランスと関連付け

6.運営事務局
上記5チームを統括・運営するスーパーチーム

大石リカ・デリシャス氏IFOAM ORGANICS ASIA総会参加報告。日本の活動のこれからを考える

IFOAM ORGANICS ASIAとの連携

2016年11月、大規模な第1回オーガニックライフスタイル展が東京国際フォーラムにて開催されることが決定している。まずはアジアとの懸け橋の第一段階として、IFOAM ORGANICS ASIAを招待してのオーガニック国際会議などを提案。今後、2018年には北海道での開催を検討するなどといった「日本主催のオーガニックフォーラム」を仕掛けることで、2023年にはオーガニックのオリンピックとも言われる、オーガニックワールドカンファレンス(OWC)を、日本で初めて招致する為に立候補する予定。このようなアクションプランを具体的かつ速やかに計画していきたい。

アジアをリードするスーパーチームの創出

長年日本におけるオーガニックの基礎固めをしてきた、豊富な経験と高い見識をもつ有識者たち。彼らに続き、その歴史や背景を理解し継承していくと共に、これからは新しいイノベーションを起こすことが必要となっている。それには、同業界で中長期的に活躍する若手の育成が不可欠だ。目標達成のための施策のひとつとしても、未来を担う次世代オーガニックリーダーの創出が急務となっており、国際的な視野を持つ若手たちで構成されるスーパーチームを結成していきたいと考えている。

 

■世界有機農業運動アジア連盟理事略歴
大石リカ・デリシャス(Rika Oishi Delicious)

日本、アジアで初めての女性理事誕生!大石リカ・デリシャス氏が世界有機農業アジア連盟理事に

写真向かって左が大石氏

HOKKAIDO VALLEY LLC CEO。SuperOrganicFoods創設者。OCT-MAGAZINE編集長。ビオ国際学会実行委員。 B.Arch. & B.F.A from Rhode Island School of Design, RI, USA.1974年生まれ。幼少期を北米、フランスで過ごし建築デザインとコンテンポラリーアートを専攻。NYの建築デザイン会社を経て帰国後、コンテンポラリー建築デザインのディレクションとマネジメントに従事。国内企業クライアントは宮内庁、TOYOTA、ベネッセ等、海外は観光庁やミュージアム、Apple等。2010年北海道に移住、オーガニックが子供の未来を約束する唯一の答えだと考え、SuperOrganicFoodsを創業。日本初、国内在住外国人ネットワークを構築、全国の美味しいBIO野菜を販売。またオーガニック関連メディア事業を展開する。2015年ビオ国際学会、及び内閣府ビオ推進室設置提言準備室を発起、世界有機農業運動アジア連盟理事(IFOAM ORGANICS ASIA)に就任。

www.super-organic.jp
www.octonline.jp

 

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/